【インタビュー】株式会社日本触媒 人事部 主席部員 三穂野 弘文様

まず、三穂野様のご経歴を教えてください。

1993年に弊社に入社後、最初は東京で営業職、その後本社で法務、ERPシステム導入のプロジェクト管理、経営企画部門での海外子会社管理を経て、自分が担当していたベルギーの生産子会社に2006年から2010年まで4年間、管理部門を掌る番頭さんのような位置づけ(笑)で赴任しました。その後人事に戻ってきて9年がたちます。 自身の海外赴任中に、「海外で元気に活躍できるグローバル人材の育成施策が必要では?」と思っていたのですが、当時の人事部には海外出向経験者が少なくその必要性を認識しノウハウを持った人がいなかったため、危機意識を感じ、やったことのない人事に手を挙げて帰任しました。

海外出向経験を活用して本社の制度を変更した事例はありますか?

20歳代の若手を弊社の海外拠点に1年間派遣するトレーニー制度の導入、社内でオープンに参加者を募る異文化コミュニケーション研修、将来の海外赴任候補者に対するグローバル人材育成プログラムを実施しています。

関西海外人事研究会へのご参加の動機を教えてください。

海外赴任中に同じく海外赴任している他社の日本人の友達ができて、そこで海外赴任者の福利厚生、例えば一時帰国の頻度や住居のレベル等、の話題になります。個別の条件で上を見たらきりがないし、下を見てもきりがなく、総合的に考える必要はありますが、同規模他社様とのベンチマークはやっておくべきと考え、参加しました。

第1回からのご参加頂いていますが、長くご参加頂いて感じる事はありますか?

毎年かぶるテーマを追っていると、日系企業の海外赴任者へのサービスレベルがだんだん海外赴任者フレンドリーになってきている傾向が分かります。例えば、一時帰国の平均頻度は年々高くなっていると感じます。また、海外拠点から日本にローカルスタッフを受入れる逆出向者の処遇を討議テーマ候補に挙げる会社様が増えてくると、グローバルでの人材育成施策のトレンドを見て取れます。

パソナの海外研究会の特色はどんなところでしょうか。

担当者同士の情報交換の場として非常に有益だと思います。担当者が、自社の諸条件の奥にある会社方針を考える良い機会になります。例えば、高額なインターナショナルスクールの学費を会社負担するか否かには、人材活用に関する会社方針が現れています。弊社は日本人学校の学費のみ会社負担でインターの学費は会社負担ではありませんが、それは標準的に3~4年で日本に帰す人事異動を行っているからです。10年レベルの長期滞在または海外を転々とするような人事異動を行う会社は、英語による子女教育が必要ですのでインターの学費を負担している、といった感じです。これは自社の制度だけしか知らなかったら全然気が付かないことで、他社様と交わって違う制度を知ったり、あとは思想がわかっている人がいて「それはたぶん御社ってこういう思想なんじゃないの」という話があって初めて気づくことだと思います。

パソナの海外人事研究会に参加するメリットを教えてください。

業態は異なるが同様の規模の会社が集まり、Face to Faceで情報交換する機会はすごくいいと思います。労政時報とか各種人事雑誌で諸条件の調査結果にアクセスできますが、会社の規模が様々ですし、表層的なデータだけで生の声を聞けないので、実はあまり参考にならないケースが多いと思います。この研究会は、海外出向経験者もいて、実際に海外に居た身としての各種制度の捉え方や感じ方という飾らない生の声を聴けます。定例の勉強会以外のテーマでも、クラウドストレージのチャット機能を使い、ちょっと疑問に思ったり調べたいなと思った時に気楽に問合せできるのも便利です。ものすごいマイナーな質問も中にはありますが(笑)、そういうことこそなかなか他社事例が見当たらないので助かります。

これから入会を検討している方々に向けてメッセージをお願いします。

我々海外人事担当者から見たら、海外赴任者が「顧客」になります。「顧客」に気持ちよく海外で活躍してもらえることが我々の「仕事」だと捉えたら、各種条件の意味するところや果たして良いものなのか悪いものなのかは絶対認識しておくべきです。既に決まった制度を公平に運用することも大事ですが、単純に赴任者のリクエストに振りまわされるのではなく、自社の条件をきちんとベンチマーキングし改善すべきところは改善する、それを「仕事」と思っている人だったら必ずこの勉強会から得るものは大きいと思います。

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